2020.05.20
ご妊娠して病院を決める際やお腹も大きくなりもう少しで臨月、バースプランどうしようかなぁ?と考えてる方、
よく「カンガルーケア」という言葉が出てきませんか?なんとなくイメージはつくけど実際どんなことやってるかわからないという方に今回はカンガルーケアについてご紹介致します。
カンガルーケアとは生まれてからすぐに赤ちゃんをママやパパの胸元でだっこして、直接肌のふれた状態で約15分~30分ぬくもりを感じることができる対面ケアのことです。
ママが包み込むように抱くその姿を、お腹の袋で育てているカンガルーを連想させるためこのような名前になりました。
40年前、南米コロンビアでは保育器が不足していることに加え、早産や低出生体重児も多く生まれていました。
そこで、母親が四六時中抱き続けるようにしたら感染症による院内死亡率、低体温症や敗血症で死亡する赤ちゃんが激減したことが始まりとされています。
カンガルーケアのメリットとデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
○赤ちゃんの体温や呼吸数が一定に
→体がお腹の中から外界に適応しやすくなり、ママの体温によって保温効果になります。また、赤ちゃんも安心し呼吸数も安定します。
○赤ちゃんの感染予防
→ママの常在菌をもらい、免疫が付き感染しにくくなります。
○子供の情緒を安定
→ママが包むようにだっこをするので赤ちゃんが落ち着く作用があり、不安で泣くことが少なくなります。
○発達、発育効果
→早期コミュニケーションにより、自然に赤ちゃんの成長効果に繋がります。
○親子の絆がより深まる
→ママの母性的感受性と赤ちゃんの外界への感受性が高いときなのでそのタイミングが合わさりより強く絆が深まります。
○母乳の出をよくする
→触れあうことでオキシトシン(※)というホルモンが出て母乳の出をよくします。また、早い段階で初乳をあげることで今後の母乳の出が良くなり母乳トラブルも減少します。
○精神が安定する
→ママやパパと赤ちゃんのスキンシップがオキシトシンの抗不安作用や抗うつ作用により気持ちが落ち着いて、産後うつの予防になるといわれております。
参考:正期産新生児に対する早期母子接触の効果と安
全性 – 信州医学会
※オキシトシン…別名幸せホルモンと言われています。お肌に触れることや見つめ合うこと、人に親切にすることなどでも分泌され、その作用はたくさんあります。
ex)
・おっぱいが出やすくなる
・信頼や愛情を育む
・免疫作用向上
・栄養の蓄積
・抗ストレス作用
などなど、書ききれないほどの赤ちゃんもママやパパのお互いに、とてもいい効果があるのです。
○赤ちゃんの呼吸の妨げに注意
分娩台に横になっているママに赤ちゃんを渡すところでは、赤ちゃんがうつ伏せの状態になり、鼻と口を圧迫してしまい呼吸を妨げてしまう可能性があります。
○赤ちゃんの低体温症に注意
お腹の中と分娩室の温度の差は約10度あります。生まれて一気に寒くなった赤ちゃんは低体温症になりやすくなり、低体温症になると最悪呼吸停止に陥ります。
参考:
※カンガルーケアは危険じゃありません
よく勘違いされるのは「カンガルーケアをしたから生まれたての赤ちゃんは低体温症や低酸素脳症になって麻痺が残ってしまった。」と言われていますが、生まれたての赤ちゃんは本当に繊細でしっかりと温度ケアや呼吸をしているかなどのチェックがとても大切になります。
カンガルーケアをしなくても生まれた赤ちゃんの急変に気づくことがとても大事なのです。
そうならない為に…
【カンガルーケアの注意点】
☆事前に病院からの説明をよく聞いておきましょう。
☆助産師さんが部屋から出てしまう病院もあるのですぐに医療スタッフを呼べるようにしておきましょう。(ナースコール等)
☆ママの上半身を30度位上げる。
☆赤ちゃんは温かいバスタオルで覆う。
☆赤ちゃんが寝たり、ママがうとうと眠くなった時点でカンガルーケアは終了する。
などのことに注意しながらカンガルーケアを楽しんでくださいね!
より「自分はもうパパになったんだ」という自覚が芽生えますし、小さな赤ちゃんに慣れておくことでその後の育児に積極的に参加するようになります!
また、パパの声を聞いて、肌で感じるのは、赤ちゃんにとても大切なことです。
おむつ交換や、沐浴、添い寝、だっこも上手にしてくれるようになります。
他にもパパのだっこは高い高いや、ゆらゆらしたり刺激があるものなので周りに適応しやすくなり、社会性を育てます。
赤ちゃんにとってママは母乳をあげたりと、とても重要なポジションにいますが、パパは授乳や出産も出来ませんが子育てをするという大切なお仕事があります。
妊娠中や授乳中の女性はホルモン変化が激しいと言われますが、実は男性の脳でも赤ちゃんと接することでホルモン変化が起こりパパに母性本能が芽生えることが研究で解明されました。
それはテストステロン(※)というホルモンが減少するからといわれています。
※テストステロン…男性ホルモンとも呼ばれ、異性関係、性欲などに関わります。結婚して、ママが妊娠出産するときには、パパの脳ではあまりテストステロンを必要としなくなります。理由は赤ちゃんの安全を守り、子どもの世話をするのがパパの役割になり、ヒトが持つ潜在での母性本能がより顕著にでてくるからです。
参考:男性が父親になるとテストステロンが急に減る-ノースウェスタン大学
現在日本では65.4%の施設でカンガルーケアを取り入れており、長いところでなんと90分間以上も実施しているところがあります。
参考:日本周産期・新生児医学会の調査結果より
「会陰の縫合の時間や陣痛の痛みをも忘れるほどの愛情で包まれているとても幸せな時間で一生に一度の貴重な体験ができた。」
「お産で疲れそうでそのあとすぐにだっこなんて無理と思っていたけど、実際には赤ちゃんの顔を見て、おっぱいを吸おうとする行動に感動を覚えた!」
など、とても幸せそうな一時が伺える感想ですね!
早産になりますと赤ちゃんがNICUに入院しママとは別々の生活を送ることとなります。入院している赤ちゃんに会うためにママが病院を退院した後もNICUへ通い続ける必要がある場合もあります。我が子の体調が大丈夫かな?やずっと泣いてないかな?などご不安に思いますよね。
そんなときには思いきってNICUに行ってみましょう。カンガルーケアは家族のコミュニケーションの手段として活用されます。
赤ちゃんの体調が良いとカンガルーケアができます。赤ちゃんに触れることで、懸命に生きる赤ちゃんの温かさや日々の成長の早さに驚かれる方も多くいらっしゃるそうです。
帝王切開で出産だけど生まれたての赤ちゃんを直に感じたい、
カンガルーケアがしたいけど手術中じゃ出来ないのかも。と思う方も多くいらっしゃいます。
そのようなときにはパパにしてもらいましょう!
パパが先にカンガルーケアをしてそのあとに麻酔から醒めてママが赤ちゃんを感じることも方法のひとつです。
この方法でもママの愛はしっかり伝わりますよ。
今回、カンガルーケアは産後の環境に大きな影響を与えることがわかりました!
カンガルーケアによってパパはママを支え、子育てのサイクルが回りやすくなり、夫婦仲も円満に赤ちゃんも愛情一杯にすくすくと育ちやすくなりますね。
また、子育てや出産にご不安なこと、産後のお身体が休まらなかったり、慣れない育児にお疲れで癒しをお求め方、是非天使のたまごにご相談くださいませ。