妊娠中の葉酸摂取について – 天使のたまご

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2019.12.18

妊活 産婦人科医 竹内正人先生

妊娠中の葉酸摂取について

2013年日本人女性の初産年齢は30.4歳に

2013年の人口動態調査によると初産平均年齢は晩婚化に伴い30.4歳となりました。
女性はホルモンの影響により35歳を超えると妊娠力が低下し、二分脊椎やその他障害の確率、流産率などが上昇するということが医学論文でも多数報告されました。
そのため、妊娠する前からより妊娠しやすい子宮内環境をつくることが重要視されてきています。
なかでも子宮内環境を整えるビタミンとして、「葉酸」が注目されています。

「不妊治療に確かな期待!」医学論文でも多数報告あり

葉酸は、新しい細胞をつくるのに必要な核酸を合成し、受精直後に起こる神経管形成に深く関わっているとされ、細胞増殖が盛んな胎児が正常に発育するために必要不可欠な要素です。
また、体外受精などの高度生殖医療でも受精率、着床率、生産率において効果があり、不妊治療においても妊娠率を高める報告があります。
なかでも「天然型葉酸」と「合成型葉酸」は区別され、天然型と比べて合成型は消化吸収がよく化学的にも安定しているため、より効率良く摂取するためには合成型を勧めています。

ART(高度生殖補助医療)での妊娠率・生産率・流産率/2011年

ART(高度生殖補助医療)での妊娠率・生産率・流産率/2011年
日本産科婦人科学会(2011)

葉酸サプリメント摂取量と
葉酸血中濃度神経管閉鎖障害の減少率

Walt NJ, et al; Quantifying the effect of folic acid.
Lancet. 2001 Dec 15;358(9298):2069-73. Review.

なぜ高用量葉酸なのか?
最も重要視したのは確かな生体への作用

1日400μg摂取した場合と1日850μg摂取した場合を比較すると、神経管閉鎖障害の予防効果が高まり、先天性心奇形や胎児先天性奇形、自然流産、死産、胎盤早期剥離のリスクを低減するなどの報告があります。
また長期服用での安全性、高用量摂取による副作用がないことも明らかになっています。

高用量葉酸についての詳しい情報については、こちらの記事もあわせてご参照ください。
http://allabout.co.jp/gm/gc/188326/3/

竹内 正人
学生時代より世界諸国を放浪。“Accept&Start”をテーマに、より優しい「生まれる」「生きる」をめざして、今も世界を旅しながら、地域、国、医療の枠をこえ、さまざまな取り組みを展開している行動派産科医。著書・監修書多数。